鳩羽の第8話とカラフル第14話アップしました。カラフルについてはまた明日にでも言い訳じみた語りをさせていただこうかと思いますが、とりあえず公認ストーカーさせていただいているサイトの管理人様から、カラフルリクエストをいただいてテンション上がりまくった管理人ですこんにちわ。今回アップしたのはリクしていただいたのではありませんが、ちょうどロックオン関連をアップできてよかったなーなんて。でもリクいただいたものについてはこれからガリガリ書こうと思います。レポート?テスト? え、何それおいしい・・わけないよコンチクショー! 息抜きにカラフル執筆頑張ります。
おお振り、やっぱめっさ面白い。田島サマの男前度は一体ホント何なんですか。栄口じゃないけどかっこよすぎるよ田島・・! 一人ぐるぐる悩んでる花井はチームのキャプテンでおかんだけど、高校1年生の男の子でした。ああもうなんなんだろう、あの等身大ぐあい! 若さゆえのもどかしさとか、悩みとか、もうホント何なんだろうあの漫画! 高校生イチからやり直したくなるよまったくさァ! 三橋は弱いように見えてすっごい強いなぁと思いました。ぐらぐらはするけど、でも絶対折れない竹のような。そりゃそーですよね、中学3年間あのマウンド守り続けたんですもんね・・・もうやだ、みんな大好き。西浦ーぜ大好き。大地もタイさんもイッチャンも好き。うわぁああん、なんだろうこの自分がミジンコに思えてくる感じぃいい(泣)
以下、第8話の後書きです。
8:禁猟区域
初!西浦ーぜの男前担当 泉視点です。書き始めるまではどーかなー?って感じでしたが、やり始めたら書きやすい書きやすい! これからも9組ブラザーズの長男には活躍してもらいそうな予感。最初、泉が田島に借りていた漫画は言わずもがな。他にも田島はワンピースとか持ってそうなイメージ( 「オレは海賊王になる男だ!」 って田島サマに言って欲しい)(きっと田島ならなれる!)(←アホ) いつだかに書いたような気もしますが、私は絶対に田島と三橋の一人称は書けません。爪の垢のような私の文才では追いつかないというのも勿論ですがそれだけではなく、書けないだろうという確信があります。田島にはがんがん登場してもらいたいのに、絶対誰かの視点で語ってもらわなきゃいけないジレンマは結構ツライものがありますが、そこに泉という救世主が現れました。西浦ーぜも 「田島はただ懐いてるだけじゃないの?」 、もしくは田島のアレはマジなのかもと気付いていながら、でも彼の表層にある明るさや無邪気さが全てであるような雰囲気の中、泉は田島の中にあるわずかな苛立ちとかもどかしさとか、そういうのを理解して後押ししてあげてほしいなァ という願望。最後の部分、「けれど泉は」 から 「なんかそれが、ちょっとムカつく」 まで、かなりお気に入りだったりして(アホ)
実は、これ第9話でした。・・・第8話は全く別の話として、書きあがっていたんですね。けれど久しぶりに読み返してみたら、その第8話がいまいち面白くなかった上に、10巻で田島があんまりかっこよかったので田島関連をアップしたいなーと思い、第8話を潰すことに。でもその第8話もかっちり書き終えていますし、ここでアップしなかったらもう多分おじゃんだろうなぁということで続きにのせました。名前変換作業もしていませんので、閲覧に関してはご注意ください。デフォルト名は 「青柳朱音」 です。ブログにのせるには長すぎるので、やはり閲覧に際してはご注意あれ。
8:巡り廻る、
朝レン開始前。少し早めにグラウンドに到着し、練習着に着替えた阿部はひとり黙々とボール磨きに勤しんでいた。真っ白だったボールはいつの間にか真っ黒に汚れ、ボールの縫い目に泥が詰まっている。しぶとく頭に居座る眠気を追い払うように、阿部は頭の中を空っぽにしてただひたすらに泥を払っていく。阿部の野球に対する敬意は、野球に関わる全てのものに払われる。
ひときわ大きな挨拶と、ひときわオドオドした挨拶がグラウンドに響く。ああ、4番とエースが揃って登場か、と頭の中に時計を思い描きながら、次のボールを手にしたとき。
「ぁ・・あ 阿部くんっ!」
ベンチに荷物を置くより先に、ぴゅーっと走り寄ってきた三橋に阿部は怪訝な顔を隠さない。三橋とバッテリーを組み始めてしばらく、出会ったころよりはマシになった自覚はあるものの、それがバッテリーというかチームメートというか・・むしろ、対等な人間同士の付き合いとして通じているのかについては、さっぱり自信がない。あの喉の奥で言葉がつかえているような“どもり”や、きょどきょどと落ち着かない態度を見ているとどうしようもなく腹が立ってくるのは認めざるを得ない事実で、それが生来の短気と結びつき、三橋を途方もなくビビらせているという自覚はある。だが切実なまでに自覚があっても・・・それが改善へと直接繋がるかというとそれはまた、違う話なのである。
「はよ、三橋」
「お、はよ! 阿部 くんっ!」
パッと顔を上げた三橋に、犬の耳と尻尾が見えた気がして阿部は思わず目をこする(ほら、なんつーの? ・・豆柴とか、チワワとか・・そのへんの)(・・・・・オレ、まだ頭眠ってんなこりゃ)。
「ぁ・・あ、あの ね! きの・・っ、オレ、本・・「あーちょっとストップ。田島ー、お前ちょっとこっち来て」
――大変に残念なことながら、西浦野球部の正捕手は、我らがエースの言葉を田島かもしくは泉という通訳なしに理解するのがとても難しい。というか正直なところ、不可能だ。
「田島く・・! 昨日の帰り、あの、本屋 さん・・!」
「ああ、なんだあのことか! そ、昨日の帰り、三橋も連れて朱音のとこ行ったんだー」
がっしりと三橋と肩を組み、にかっと笑う田島に阿部が送る視線は尊敬とも賞賛ともつかないものだ。ホント、あの練習の後に毎日毎日よくやるよお前・・・。けれどその裏側で、じりじりと心臓が焦げる。真夏の太陽の前では、心臓だって日焼けするのだ。
「ふーん、それで?」
「そんで、朱音なんか日焼けしたーとか呻いててさぁ。顔とか腕とかすげー真っ赤で、ちょー痛そうだった!」
あーでも、うっすらできてた二の腕のTシャツ焼けはドキッとしたなー!あれはクるよ! ――誰もそんな話しろなんて言ってねェよ!、と思い切り怒鳴りつけたいのを、阿部はグッと飲み込んだ。三橋と普通の、ごくごく普通の意思疎通を図ろうとするだけでどうして、自分ばかりがストレスを腹に溜め込まなければならないのか。ここに三橋がいなければ容赦なく怒鳴りつけていたという確信があるだけに、阿部の堪忍袋はかなりの速度で膨張する。朝っぱらから全くなんて拷問だ・・・こうなりゃクソレフトしばくしかねぇな、俺の精神的安寧のために。
「なー? 三橋もそう思うよなー?」
頼むから、違うと言ってくれ三橋。オレはこれ以上、お前の中の恐怖の権化になりたくない。
「・・・っ、朱音さ ん、はっ! イイ人だ よ、阿部くんっ!」
「(――・・とりあえず、どうして三橋が“名前呼び”なのかをを知りてぇよ、俺は)」
疲れた体を引きずって、夜の中をのろのろ進む。夜は夏らしい熱気を孕みながら、阿部の行く手を待ち受ける。ペダルを踏み込むごとにじわりと額に汗が浮かび、それが首筋を流れ落ちるのがやたらリアルに感じられる。早いところ家に帰ってシャワーを浴びて、夕飯食って寝てしまいたかった。
「ちわ」
「350えーん」
「・・いきなり、それスか」
レジの向こう側で、机に肘を突いてにやにや笑う青柳サンに焦げ付きかけた心臓が溶かされていく。クーラーから吐き出される冷気は阿部の体を包み込みながら、しかし体温を冷ましてくれない。
「スゲー汗だな。やっぱ、外暑い?」
「・・そりゃ、夏ですから」
ピクッと青柳サンの頬が引きつった気がした。
「うーわ、何その可愛くない返事! 生意気な口を利くのはこれか、こいつかコノヤロー!」
「いでででで!」
レジ机から身を乗り出してきた青柳サンが素早い動きで腕を伸ばして、頬の肉を思い切りつまむ。容赦ないその攻撃はどこかモモカンを彷彿とさせて、反射的に血の気が引いた。――と、その時。
「(う・・っわ、アレは・・・やべぇ)」
自分にはどうしようもなかった。不可抗力であったと、阿部は声を大にして言いたい。思い切り伸ばした青柳サンの二の腕。渾身の力を込めれば折れそうな細い腕には田島の言ったとおり、うっすらと日焼けの痕が出来ていて。前々から色白だという認識があったわけではないけれど、今までなかった線があるだけでそこから上の部分がやけに白く見える。だ、だからその・・・簡潔にいうとほら、なんつーの? 「見ちゃイケナイものを、見ちゃいました」的な、「普段見えにくいところを、チラ見しちゃいました」的な・・・・・いやもうホント、すんません。
「この前はお邪魔しました。話聞くのと実際に野球してるお前ら見るのとじゃ、やっぱ違うな」
「・・・そう、スか?」
「うん。みんな俺の想像以上に格好よくて、ビックリしたよ」
ぐぐぐ、と顔が熱を持つのがよく分かる。全身に心音が響いてまるで、細胞の一つ一つが鼓動しているような。耳鳴りのように、体中を駆け巡る。
「・・昨日は、三橋もここ来たんスよね?」
「田島に引っ張られてね。いやー、懐かせるのに手間がかかった!」
「(どうやって三橋を手懐けたんですか!? ――とは、聞けねェよなぁ・・)」
ふと見遣ったレジ机のチロルチョコが、激減している気がした。
「まったく、お前らはどーしてこう、自分以外のヤツのことばっかり喋るかねぇ」
「・・・・え、」
昨日は田島と三橋、ふたりして延々とお前のよさを語りやがったよ。「ぁ・・あ 阿部、くんは スゴイキャッチャーなん、です!」ってそりゃもうまるで自分のことみたいに、目ェきらきらさせんの。俺は三橋に豆柴とかチワワとかの耳やら尻尾やらを見た気がしたんだけど・・・ってそうじゃなくて、「阿部くんがいないと、お・・オレ、ダメピ だから・・っ」っていうのをちょいちょい挟むのがアレだったけど、でもその分だけお前のことベタ褒めするんだもん。聞いてる俺が恥ずかしくなるってーの、いやマジで。
「・・・・・三橋には、怖がられてるとばっかり思ってた・・」
「いや、めっちゃ怖がってたけどね」
「え、」
「お前のダンナなんだろー? 優しくしてやれっての」
じゃあこれで、とサドルにまたがり、小さく頭を下げた阿部を夜の中に見送って。朱音は夏の匂いが色濃い空気にひとつ、言葉を散らせる。
「あの子が恐れてるのは、お前に嫌われることだよ。きっと」
041:巡り廻る、
(・・オレ的には今の状態で結構やれるだけやってんだけど・・・・やっぱ食いモンが手っ取り早ェのかな)(つーか、ホントすげぇ日焼けしてたな。首筋とか、真っ赤・・・・・・・・ってバカやめろ思い出すな、田島と同レベルだぞこれじゃあ!)(・・思ったよか色白いんだな とか、腕とかやっぱ細ェんだ とか、・・・・クソッ、マジでやめろっつーの!) (どしたの兄ちゃん、なんか疲れてない?)(るっせー、どうしたのかなんて むしろオレが聞きてぇよ!)
昨日はたまたま、偶然シフトに入っていたんだと思いますという言い訳。08.01.12
8:巡り廻る、
阿部視点再び。ヒロインと三橋を馴染ませることと、三橋が怖がっているのは「阿部」ではなく「阿部に嫌われること」なんじゃないかとヒロインに悟らせることが目的でした。そして是非、是非三橋も彼女に懐いてもらいたいという願望を形にしました。そしたらナチュラルに名前呼びしました。阿部にはできないですが、三橋は普通に出来る子なんだなーと思うとなんか嬉しかったです(させたヤツが何をいう)。兄貴なヒロインに甘やかしてもらえばいいさ・・・とか思ってたら、田島がなんかマニアックなポイントにぐっとクるとか言いやがって(言わせたヤツが何/以下略)、見事に阿部も罠にかかったようです。思いっきり日焼けのあとがついてるわけじゃなくて、うっすらと。脚の靴下やけじゃなくて、二の腕のTシャツやけで、なんかこう・・際どいところがチラッと目に入っちゃったらドッキリしませんか?(あ、引かないで) 最後、「あの子が恐れてるのは、お前に嫌われることだよ。きっと」というのを、阿部に直接伝えるか否かで少し悩みました。最初は伝えるつもりだったんですが、きっとそれは阿部が気付かなければいけないことで、人に言われて・・しかもそれが私が勝手に捻じ込んだヒロインというのはものすごくおかしい気がして、ああなりました。あれでよかったと思います。いつか阿部弟を出してみたくてたまりません。