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東雲の旅

管理人の徒然日記  ~日常のアレコレから制作裏話まで~

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カラフル 第41話

あさっての月曜日にインターンシップの予約をとったんですが、どうしようかひっじょーに迷っています。そのイベントは服装指定がなく、ということは多分スーツで来いよっていう意味だと思うんです。来週もう一つインターンに申し込んでいて、そっちにはスーツじゃなくてもいいですってわざわざ書いてあったくらいだから多分この解釈は間違ってないと思うんです。・・・ただ、問題なのが私の持ってるスーツは3年前の大学入学式でたった一度着たっきりクローゼットで永眠しそうな勢いのスーツで、ということはもちろん夏用じゃないんですよね。しかも今日恐る恐る着てみたら、なんかウエスト・・・・・や、やばい、気が、する・・なんでだよ、だって中学の頃買ったジーパンまだ着てるんだぜ、なのになんで・・っ(多分ここは中学からほとんど成長していない私の背丈と、つーかお前服買えよというのが問題点)(そしてジーパンは穿いてりゃのびる)。部屋の中で着てみただけでもあんな暑っ苦しいのに、大阪の街をてこてこ歩かなきゃならないとか拷問なんですが。やっぱ上着も着るべきなんですかね、なんかもういーんじゃね?シャツだけで、とか思い始めてるんですけどそれでいいんですかね。でもそうすると見るからに 「・・・あなた、呼吸できてます?」 っていう見かけになるんですけどそれで大丈夫なんですかね、主に私が。半日着てたらおかしくなりそう。・・そんな答えの出ないこと考えてたら、もう行かなくていーんじゃね?とか思い始めてるんですけどそれでいいんですかね・・・・・・うわぁどうしよう、ほんとどうしよう! 困ったなァ、こういうとき親がいないのはいたいなァ・・もう奇をてらってジーパンで行ってやろうか、ビルの前ですごすご引き返す私が目に浮かぶようだ。だーれかー、就職活動を控えててもうインターンシップに参加したりした方、どんなんだったかお話聞かせてくださいいやほんとマジで! ・・・・嗚呼ピーターパン、どうか私をネバーランドに連れてって!
ほとんど衝動的にアンケートを設けさせていただきました、カラフルに関するものです。ヒロインを含め、一番好きなキャラクターとこれからの活躍を期待するキャラクター、そしてご意見ご感想など、できるだけ多くの方のご意見を賜ることができればと思っています。設置は衝動でしたが、質問内容に関しては結構気にしていたことなので、率直なご意見をぺろっとお寄せくだされば幸いです。

41:突発モノローグ
ちょっと変り種を投下してみました、会話ゼロ!段落少な!文字だらけ! アレルヤの最後のセリフを際立たせたいがためにあんな構成を思いつきました、楽しかったけど色々しんどいっちゅーの! 一番するする書きすすんだのはアレルヤで、一番ぐるぐるしたのは刹那でした。やっぱりせっちゃんは難しい、彼の段落はほとんどがせっちゃんの目から見た状況の説明になってしまった・・・・四年後の刹那はどんな大人になってるんだろう(どうしていきなり第二期への期待?) 全体を通して気をつけたのは、最後にアレルヤがセリフとしてちゃんと言うまで、「誰に何を聞きたいのか」 をはっきり明言しないことでした。はっきり名前を出したりしないんだけど、「誰に何を聞きたいのか」 をアレハレの段で出来うる限りわかりやすく匂わせたかったという・・ 「もしかしてアレルヤ、ちょ、それは・・!」 的な・・・・こ、これが今の私の精一杯でした・・。あとはそれぞれの段で、らしさをだせればなぁと思ったんですが・・・初挑戦が成功したか否かは置いておくとして、得るものは大きかったような気がします。場違いも甚だしいマルチーズとか弟の面倒見のよさとか可哀想な兄貴とか、それぞれでいろんな小ネタをばらまけたのも楽しかった。またこんな作りで書いてみたいです、次はハムハムとカタギリとスメラギさんとかで(絶・対・無・理☆) さてティエリアはどうでるんですかねー・・アレルヤには是非頑張ってもらいたいと思います。(9/8)

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伊勢旅行

Image014.jpgImage012.jpg伊勢旅行から無事帰還を果たしました、というのはあながち大袈裟な話ではなく、出発するぎりぎりまで 「・・・・・台風のせいで一日帰りが伸びるかも知れへんけど、まァ・・大丈夫やろ、たぶん」 という見切り発車で出発し、けれど思った以上に台風が鈍足だったおかげで予定通り、台風がやってくるよりも先に大阪に戻ってくることができました。向こうについてからも、雨の中の移動を覚悟していたのですがぎりぎりでお天気が持ち、霧のただよう神秘的な伊勢神宮をお参りすることができました。20年ごとに引越しするアマテラスってかなり贅沢だよね。最近大神2週目をプレイしていたこともあり、イザナギとか月読とかに対して必要以上にうはうはする私を見る同行者二人の目が痛かったです、筆しらべとかの説明ちょう頑張ったけど引かれた実感がある← 伊勢神宮の内宮(ないくう)に向かうまでに おかげ横丁 っていう江戸時代の様子を模したようなお店がずらっと軒を並べたとおりがあるんですが、そこが予想以上におもしろかったです、赤福本店で赤福食べてきました、・・・だってあれやっぱりおいしいんだもん・・! 自分にお土産まで買っちゃったてへ、昨日の夕飯です。伊勢の友人宅に泊めてもらって翌日は鳥羽水族館へ、ジュゴンって確かにカワイイけれどあれを人魚と見間違うのは結構至難の業のような気がするんですがこれ私だけですか。ちなみに写真はジュゴンのじゅんいちです、考えてみたらナマジュゴンは初でした、あんまりでかくで驚いた。海藻食べてあんなに大きくなれるもんなんですね。世界中のカエルを展示してあるところで、三人してアフリカツメガエルに手を合わせてきました。大学一年の頃、解剖実験とかに使わせてもらったのですよえへへ。鳥羽水族館はひとつの水槽に入れられている個体の数がなんとなく多いような気がしました、ウツボがものっそい大量に水槽の底にうねっててびびった、あれしっぽ(?)が結ばれちゃったりしないのかな。・・これから食費を削る極貧生活の開始です、00にこんなはまるべきじゃなかったのかもしれないと思っても時既に遅し・・・・・、二期ちょう楽しみにしています、後期始まるのはものっそい嫌だけどな!

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・・世の中所詮、

・・・・・・東京から帰ってきたのが12日、伊勢へ出発するのが明日。・・私この夏、どんだけ遊び呆ければ気が済むんだろう、だれか私の現実逃避に武力介入してください、いやマジで! 実際何が問題かって、今月は00のドラマCD第二段でしょ、来月になればマクロスFのサントラの第二段に00のゲームでしょ、もうこれ私に餓死フラグが立ったとしか思えないんですが。伊勢旅行は三重出身の子のご実家を頼りに行くのでそんな出費はかさまないと思うんですが、外に出れば羽根が生えたようにお金が飛んでいくのは世界の真理です。ふふ、ふはは! ティエリアも読者も放り投げた状態でしばらく遊びに行ってきます、おいおいふざけんなよせめて次をアップしてから行けなんてもっともなことは言わないでね、夜11時現在何の用意もできてないんだ。正直ブログ書いてる場合でもないんだ。伊勢神宮でカラフルのネタが光臨召されることを祈ってきます!

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小粒、もしくは山椒

いつもバトンをせいやっと放り投げさせていただいている水瀬さまから、バトンを受け取らせていただきましたキャッホォオオ! じっくり答えさせていただいたら、なんかものっそい量になりましたえへ、えへへ・・・。よろしければお付き合いくださいまし!

【物書きさんに質問!バトン】
■まずはお名前をどうぞ!
彩斗です、理由もなく 「綾」 という漢字が好きで、それを使おうかとも思ったんですが漢字から受ける印象と私のキャラがあんまりにも一致していないので諦めました。最近は 「あや」 という音にすら卑屈になりつつあります、小粒とかに名前変えようかな←
■初めて小説を書いたのはいつ?
ゆめしょうせつ、というものの存在を知る前、中学のころに最遊記をひたすら文字に起こそうとしてみたり(ヒロインとかそういうのナシで)、ありえんくらいはまったGジェネNEOのシナリオを小説風にしようとしたりしていたのが初めてだと思います・・・・・・あ、穴があったらはいりたいいい・・! ゆめというものの存在を知り、実際やってみちゃったりしてみたのが高二の頃だったような。今ですら二年前にアップしたものとか書き方が違いすぎて見直したら軽い自殺行為だったりするのに、そのころのなんて間違いなく見られたもんじゃないだろうと思います。成長したんだと自己暗示かけて日々を生きています。
■今、どんな話を書いてる?
いい加減もどかしいというか 「お前らさァ、ちょっとさあ・・いやいいけど、別にそれでもいいけどなんていうかさぁ、」 みたいながきんちょ二人のひどくありふれた日常をツラツラ書きつづっています。最近ではふたりの周囲にも視野を広げることをおぼえました。話に厚みが出た、と好意的に解釈することも可能ですが、おかげで40話すぎてもあの状態だよ、と否定的に言い換えることも可能。でもやっぱり最初のころよりは随分しっぽりしてきたふたりのこどもを書くのはとても楽しいです、あの子が攻めだったなんてはじめて知った←
■小説を書くときのこだわりは?
ゆめしょうせつ、というものを扱っているだけに 「らしさ」 を出すことには注意していますが、カラフルなどの現代パロでは特に、「すぐ近くにいそうな」 雰囲気を出そうと思ってがんばっています。ありふれた日常を周囲を見回せばそこにいそうな雰囲気で、でもどこかしら面白おかしく。画面の前で、思わずフッて笑っていただければなぁと思いながら。あとは人様が見てくださっていることを念頭に、いつ誰がどこで何をしているのかをはっきりさせながら文章をかくこと。「・・これ誰の一人称?」 という状態になると足元がふわっふわして、私が落ち着いて読めないのでできる限り注意しながら書いています。
■一番気に入ってる作品のタイトルは?
話の展開とか、流れで一番気に入っているのはカラフル第25話の 「幸せの在るべき形」 です。内容まったくないですからね、夕飯前に心底くだらないこと喋ってるだけですからね。でもああいう本当になんでもない普通の日常を切り取って、ああいうあのふたりらしい形に仕上げられたのは嬉しかったです。あと、カラフル第27話の 「くらがりのひだまり」 の中の最後の表現はよくできたんじゃないかと自己満足しています。目に見える文字から受ける印象も、たしかに話の一部なんだと強く思いました。
■その中身を一部さらしてください。

 ばたばたと足をばたつかせるこの阿呆は、そちらが枕元に当たることなどまるで考えていないのだろう。ティエリアは、閉じた文庫本の背表紙で朱音の後頭部を打ち下ろす。コン、と鈍い音がして、同時に彼女はくぐもった悲鳴を漏らした。うつ伏せの状態で布団に顔をうずめているおかげで、幸いにもその声は響かない。
「いってぇ・・・あ、そーだ。ティエリア、注文してた本届いたよ」
 ベッドに横になったまま、ぐぐ・・と手を伸ばしてカバンを取ろうと――していないのだろう、この馬鹿は。本当に取ろうとするなら立ち上がるべきで、そうしないのはティエリアが取ってくれるのを待っているからだ。図らずもその意図を読み取ってしまい、不愉快そうに眉をひそめる深紅の前で、朱音の唇はニタァと笑みの形をかたどる。
 それだけで数人殺せそうな舌打ちをして立ち上がり、感情を逆撫でする笑みが深くなったのを認めてもう一度、ティエリアは本の背表紙でその脳天を叩きつけた。ゴン、と今度はひどくいい音がして朱音が頭を抱え込む。あまりの痛さに言葉も出ないらしい・・・静かでいい、次からは最初から容赦なく手を下すことにしようと決めて、ティエリアはカバンを朱音に突き出した。受け取ろうと伸ばしてきた手がその間際に拳を握り、勢いよく通り過ぎたのを軽く避ける。この阿呆の考えていることは時々、どこまでも分かりやすい。 (カラフル 第25話 「幸せの在るべき形」)

「子供は寝ていろ」
 その言葉にいざなわれるように、思考が夜の底に沈んでいく。どっちのほうが子供だよ、という言葉は朱音の口の中で言葉にならず、むにゃむにゃと宵闇にとけた。心地よいまどろみのなかでとろりと微笑む。――そうだ、明日はカレイの煮付けにしよう。生物の形が残っているから、というわけの分からない理由で焼き魚に手をつけないティエリアが、ギリギリ食べることのできた数少ない魚料理。うん、我ながらなかなかいい考えだ――・・はちみつ色をした、あたたかくてやわらかいまどろみにとけていく。 (カラフル 第27話 「くらがりのひだまり」)

■この人のこの話が好き!
基本的に雑食です、ミステリも好きだし歴史小説も好きだし、広く浅くいろいろ読みますが、みんなが 「おもしろい、これは面白い!」 ともてはやす作品にはなかなか手が伸びません(文学賞受賞作品とかは別)。「どんだけ面白いのか見せてもらおうじゃない!」 という斜に構えた姿勢で本に取り組めばそりゃ期待を裏切られるってもんです・・・だからそういうのは波が去った後、ハードカバーじゃなくて文庫本で読んだりします。
恩田陸さんの 「ネバーランド」 を読んだときには、大学生で読書感想文を書く必要なんてないんだけど書きたくなりました。読んだ後、自分の身に置き換えていろんなことをぐるぐる考えてしまい、文章という形で自分の中から出さないとパンクするんじゃないかと本気で思いました。でもそんな風にぐるぐる考える間も全然苦じゃなくて、だから今でも大好きです。さりげなく、カラフルの中でティエリアに読ませていますえへ。
彼女独特の表現がとても好きで、江國香織さんの作品は結構読み漁っています。日本語の、ひらがなのきれいさを噛み締めながら文字を辿るのがとても好きです。「神様のボート」 は特に私の中に残っていて、やわらかくてあたたかな日常の根幹にある、静かな狂気にどきどきしながら読みました。
■これから書いてみたい話は?
カラフルでは季節に即した話をもっと書きたいです、冬になればこたつとか(あ、私これ絶対書くわ)。あとせっちゃんともっと絡ませたい。
ゆめしょうせつじゃないんですけど、高校生の 「僕」 と、義理の母親である 透子さん と、もうずっと前に死んでしまった 「僕」 の母親である あのひと の三人の話を書きたい。・・なんかこれだけ書くと、それなんてえーぶい?って感じがしなくもないですが、そんなんじゃないです。低い温度で静かな言葉で淡々と、当たり前のありふれた日常を三人の不思議なつながりと一緒にやさしく文章にしてみたい。
■指定されたお題で短文を書いてみましょう。
お題・・・「玉座」

 篠崎家の玉座は、いつだってぽっかり空席のまま漂っている。
 僕と透子さんと父さんのあいだでふわふわ浮かんでいる王の椅子は、決して僕らに近づこうとしない。けれどそのくせ遠くはない、手を伸ばせば届きそうな場所で玉座はずっと昔から王の帰還を待っている。手に入れようとすることが憚られるような、ある種の荘厳さをまとって玉座はひっそりと僕らのあいだに存在していた。遼介の目から見た王の椅子はただの空席ではなく、だからそれは誰かがずっとずっと長い間座り続けているのとさほど変わらない――誰かが、そう、あのひとが。
 あのひとが僕の前に現れるのは、夜が明けるその時だ。明け方、夜と朝が絶妙にまじりあう時間、あのひとはいつだってその日一番美しい空を背後に従えて遼介の前に現れる。雲の切れ間からとどく金色の矢がまばゆいばかりにあのひとを彩り、僕の部屋の中にしぶとく居座る夜の気配を一掃する。僕の頭の中にある、何度とどめを刺してもよみがえるラスボスのようにしぶとい眠気すら吹き飛ばしてしまう。背中まであるゆるゆるとウェーブした髪は光の中で絹のようにかがやき、やわらかそうなワンピースが早朝のすがすがしい風にふわりと揺れる。あのひとの顔は背中から降り注ぐ光のせいで影になり、僕からは見えない。おかげで僕はこの家の中で、あのひとを知らないたったひとりだ。僕は高校生にもなって、僕を生んだ母親の顔を知らない。
「おはよう、透子さん」
「あ、おはよう遼介くん」
 僕は、透子さんほどエプロンの似合うひとをしらない。腰の辺りにポケットがふたつ付いているだけの、とてもシンプルな形をした薄いベージュのエプロン。頭の後ろでポニーテールをつくった透子さんと、ベージュのエプロンと、朝日の差し込む明るい台所はイコールだ。透子さんを完全足らしめるにはエプロンと台所が不可欠で、やわらかなはちみつ色に満ちた台所はエプロンをした透子さんが立たないとその色に染まらない。僕は昔から、エプロンをして台所に立つ透子さんの後姿が、完成された空気が好きだった。
 僕と透子さんがはじめて会ったのは僕が八歳の誕生日を迎えたその日で、その半年後に父さんと透子さんは結婚した。そのとき父さんは35歳で透子さんは23歳、小学生だった僕にも分かるほどふたりの歳ははなれていて、けれど僕の目から見てもふたりはとても自然だった。お互いはお互いにとって似つかわしく、そうなるべくしてなったという感じがあった。父さんは僕に透子さんを自分のお嫁さんだと紹介するだけで、僕のお母さんになるひとだとは言わなかった。透子さんもそうだった、はじめまして、と言ったあと、透子さんは僕に向かって 「きみが遼介くん。学(まなぶ)さんと涼子さんの息子さん」 とやさしく笑った。学さん、というのは僕の父さんの名前で、涼子さん、というのはあのひとの、僕の本当の母親の名前だ。透子さんはあのひとを知っている。
「遼介くん。今日、学さんが帰ってくる日だっておぼえてる?」
「あー・・・うん、もちろん」
「うそ。単身赴任で頑張ってるのに、遼介くんが忘れちゃってたらかわいそうだな」
 僕は透子さんのことを 「おかあさん」 と呼んだことは一度もない。出会ったときからずっと、透子さんは透子さんで、母親はあのひとだった。友人やその母親らに、透子さんを指して 「遼介くんのお母さん」 と言われてもピンとこなかったし、それは今でもそうだ。抵抗感があるとか、そういうある意味でもっともらしい理由は僕にはない。もしも、僕が透子さんのことを 母さん と呼ばないことで透子さんを悲しませているのなら、僕は今すぐにでも呼び方を変えられる。きっと、小学生の僕でもそうしただろう。でも透子さんは、僕が透子さんを母さんと呼ばないことに悲しんでいない。遼介くんのおかあさんは涼子さん、私は何の変哲もないただの透子さん。透子さんの口ぐせだ。
「遼介くん、今日の帰りは? 部活?」
「・・部活の予定は入ってるけど、たぶんなくなる」
 どうして?、というように透子さんは台所から振り返る。僕は朝食のトーストをかじり、目玉焼きの半熟の黄身を箸でつつきながら透子さんを見返した。たぶん透子さんは、僕のこたえを知っている。僕と透子さんがこんな話をするのははじめてではないし、それになにより、王の椅子はひっそりと、しかし確かに僕らのあいだに存在しているのだから。今も昔もずっと空席の玉座は、王の帰還をひたすらに待ち続けている。とろりとした黄身がゆるやかに流れ出す、僕は黄色によごれた箸の先端をなめた。
「今日はきっと、雨が降るから」
 あのひとが僕の前にあらわれた日には、ぜったい雨が降る。


実家に戻っていたとき、なんか不意に思いついたものを折角の機会なのでここで形にしてみました。予想以上にスラスラ書けて自分に自分でビックリです、もっとしっかり形にしてみたいような気もする。

■次に答えてほしい物書きさんと、お題を指定してください。
最近みんな忙しそうだしなぁ・・・アンカーですいません。もし、よっしゃ私が拾ってやんぜ!という方がおられれば、お題は 「黄昏」 でお願いします!

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カラフル 第40話

Image008.jpgImage007.jpgえへへ、東京旅行から無事帰ってきました絶賛ピーターパンシンドローム中の彩斗です、つ・・疲れ果てました・・・・。往路の夜行のバスは、嫌な予感どおりほととんど眠れませんでした。大阪から出発して滋賀・静岡・神奈川の三ヶ所で休憩をとったのですが、大阪から静岡まで延々と娘フロ聞き続けていました。静岡すぎたあたりからようやくふっつり意識が飛ぶようになって、神奈川から新宿まででようやくずっぽり眠れました、眠れてねーっちゅーの! そんで朝6時半、新宿のど真ん中に放り出されるの・・・・・私たちにどうしろっていうのそれ・・。しょうがないから朝マックしてマンガ喫茶で9時過ぎまで時間潰しました、なにやってんだろ。この旅行の真の目的は劇団四季の 「ウィキッド」 というミュージカルの鑑賞だったわけですがこれが、もう・・・っよかった、ほんとよかった・・! 普通に有名な 「オズの魔法使い」 を原作として、その裏側を、別の視点からえがいた作品です。悪い西の魔女 エルファバと、よい南の魔女 グリンダがどうして生まれたのかという話を展開します。昔、彼女たちが大学生だったころ、最高に仲が悪くてケンカばかりだった二人があることをきっかけに親友になり、フィエロという少し軽薄だけれど本当は思慮深くて優しい男の子と出会い、実はただのペテン師だったオズと出会って・・・・・・・・・うああああやばいここに全部あらすじ書いてしまいそうな勢いですが自重します、一週間ぐらいずっと語れるよまじで。もううっとりするくらい豪華絢爛なステージでありながら話の内容とか登場人物とかにはすごく生々しいものがあって、でもそれをコミカルに描いてあって・・・・・泣きましたよ、ええ泣きましたとも。自分の深いところから ぶわぁっ て感動が押し寄せてくるんです、演劇ってすごい、あの空間は確かにオズの世界でした。前から五列目でしかもど真ん中というかーなーり豪華な席で見たんですが、俳優さんたちの表情がもうくっきり見えてもうすごかった、歌に演技にしびれました。・・わたしははじめて他人のちゅーを目撃してしまいました、なんかね、我ながら恥ずかしいこと言ってンなァと思うんですけど、すごく純粋に女の子に戻れた4時間弱だったと思います。ものすごく普通にキュンキュンしました、私そういえば女の子だったんだ、って帰り道思った← いやそれにしても面白かった・・・そしてフィエロちょうかっこよかった(結局それか) 機会があれば・・、というか是非機会を作ってみられることをオススメします。壱萬円を払った価値は十分すぎるほどあった、是非また見に行きたいと思っています。
昨日はお台場で一日中遊び(ソニー・エクスプローラサイエンスで遊び呆けた、水族館に行く予定がおじゃんになった)、帰り着いたのは今朝8時です。心底疲れ果てていたので復路は爆睡しましたが、ケツ痛いのはどうにもなりませんでした。帰ってきてお風呂に入って寝て、眠気に目をしょぼしょぼさせながらカラフルをアップしたのはお昼ごろ、また眠ってお昼を食べそしてまた寝てを繰り返し、人心地付いたと思って辺りを見回したら夜でした。なんじゃそりゃ。明日からはまたカラフルを書き溜める日々です、あのじれったいというか軽くうっとうしいがきんちょ二人をこれからどうしてくれよう。

追伸 水瀬さまバトンありがとうございますー! じっくり解答させていただこうと思いますむふ。実は私もこの夏、恩田さんの 「麦の海に沈む果実」 を読んだばっかりで、そのシリーズの作品をどばっと読ませていただいたためなんだか妙にウキウキしてしまいました。面白い!、と思う本などが一致するといきなり一方的に親近感を覚えたりするアホの子ですいません、楽しくやらせていただきます!


40:手放せる
前回の分を書き始めるまではここまでの流れをひとつにして一話にしようと思っており、予想外に前回が長くなってなんか一本書けちゃったせいで大幅な 水増し 増量を余儀なくされ、終わりに持っていく流れを作るまでが結構しんどかった一作。ティエリアの 「ここに居ろ」 は、かーなり前に水城さんとお話させていただいたときに(私が)すっごいきゅんきゅんしたセリフで、絶対どこかで使おうと決めていた一言で、今回それを使わせてもらおうと決めてからは一気でした。ティエリアがあの子を捕まえてそんなセリフを言うのと同じくらいかそれ以上に、ティエリアがそんなことを言うようになるまでの過程を、ふたりの関係性の変化を大事にしたいと思っているのでここまで出し渋らせていただきましたえへ。だってだって、最初のころのティエリアなら鼻で嗤って 「消えろ」 って言いそうだし、あの子はあの子でここに居ろなんて言われても 「・・は?いや、アンタ何様?」 ぐらい言い放ちそうなんだもん・・!ふたりとも丸くなったよね、お母さんは嬉しいっ!← うん、でも40話まできてまだこの段階?っていう気は確かにしなくもないんですが、まぁ今更ですよねアハ。もどかしいというかじれったいというか・・こいつらほんとに大学生なんだろうか。(9/7)
 

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